3.5次元くらいが一番しんどい。

アセンション途上(?)おじさんのヒーラー修行ドキュメンタリー。

第0次元  AD2020――3次元と5次元の狭間にて。

西暦2020年。令和二年。

世界史の一大転換点ともなり得る、この年。

今この地球に生きている我々人類すべてがその大転換、パラダイムシフトの渦中にあると言っても、決して過言ではありますまい。

 

何かが変わるということはつまり新しい何かが始まるということで、同時に古い何かが終わるということでもあります。

明けて2021年1月現在、我々はいまだ3次元世界、すなわち「縦横高さ」で表せる「物質」を価値基準とする世界を生きています。目に見える物体、モノを可能な限り持つことをよしとする世界であり、さらに言えばモノを手に入れるための媒体、手段となるお金や情報を少しでも多く獲得することを第一義とする世界。これに「時間」を加えれば4次元ということになりますが、操ったり行き来したりは(ほとんどの人は)できないので、実質的には今の世界はやはり3次元と言えましょう。

 

それがいよいよ限界を迎え、新しい価値観を基準とする世界が始まろうとしている。「5次元の世界」と呼ばれるものですが、それがどんな世界なのか、本当にそんな時代が来るのか、今の私には確かなことはわかりません。ただ、少なくともまさに今この時、物質至上主義や拝金主義の成れの果てを目撃していると感じる人は、私も含め決して少なくないはずです。

 

いわゆる「バブル崩壊」が1990年頃、その後ITバブルとかリーマンショックとかアベノなんちゃらとか景気のアップダウンは多少あったものの、それらはすべて見かけだけの数字の話。その間、実際に一貫して行われたのが「人の使い捨て」。就職氷河期、フリーター、非正規、リストラ、派遣切り、雇い止め、ワーキンングプア、ニート、ロスジェネ、ブラック企業、勝ち組、負け組、貧困ビジネスパワハラ、マタハラ、オワハラ……。企業や世間による人の選別、使い捨てを表すこれらの言葉はすべてこの30年の間に生まれた、あるいは一般化したもの。その大半は年齢や役職など立場上、形式上の強者による、理不尽かつ短絡的なものです。氷河期世代のロスジェネのフリーターでブラック企業に身を置いたこともある私は、これらすべてとは言わずとも、このような時代の風潮をリアルタイムで身をもって感じてきました。ほんのちょっとの立場の差を利用して親ほど年上の人に平然とタメ口で指図する輩も山ほど見てきましたし、かと思えば事ここに至って人手不足倒産とか、壮大なコントのオチをつける企業もちらほら。まあ、かわいそうなんでちょっとだけ笑ってあげましょう。

 

さて、その私が大学を出たのが20世紀のフィナーレとなった2000年。バブル崩壊から十年経っても一向に出口の見えない不況が、先述した様々な社会問題を生み出し始めていました。当時私は札幌近郊に住んでいましたが、札幌駅前の大手デパートや都市銀行までもが経営破綻するなど、世間で絶対安定と言われていたものがあっけなく崩壊するさまを、いくつも目の当たりにしてきました。

倒産やリストラによる生活不安が蔓延し、その悪化と比例するように「スピリチュアル」という言葉が台頭し始めたのが、あくまで私の体感ですが、だいたいこの辺りだったように思います。私の「スピリチュアル」とのファーストコンタクトはおそらく2003年か04年、当時20代中頃の悩める青年でありました。

 

私のその後のスピリチュアル遍歴については追々語るとして、ここで急に、教科書みたいな話をします。しばし辛抱されよ。

巷では「スピリチュアル」を単独で名詞のように使う傾向がありますが、本来「スピリチュアル(spiritual:霊的な)」は形容詞で、「スピリチュアルヒーリンング」とか、日本語だと形容動詞的に「スピリチュアルな生活」といった使い方をします。英語ではspiritualを名詞として使うこともありますが、その場合は「霊歌」という別の意味になります。現在日本で一般的に使われる「スピリチュアル」は、正確には「スピリチュアリズムspiritualism:心霊主義)」です。

別に「世の中間違ってるぞ!」とか「言葉が乱れておる!」とか言うわけではないですが、この場では今後もこの使い分けをしていこうと思っていますので、皆様のご了承を得るためにもここで一応ご説明いたした次第であります。確かに私は多少理屈っぽいところもありますが、決してめんどくさい人間ではないのでご安心ください。ただ名詞と形容詞は違うものだから当然用法も違うし、英単語でalで終わるのはたいがい形容詞だからそらやっぱそのへんの違いはちゃんとさ……(以下5万字略)。

 

そんな私の竹を割ったような性格はさておき、なぜこんなうすしお味の現代史みたいなことをくどくど書き立ててきたのかと言いますと、私自身、2020年に一つ大きな転機を迎えたからです。それは何かと言いますと。

 

スピリチュアルヒーラーを訪ねたら、スピリチュアルヒーラーになることを勧められた。

 

詳しい経緯などはこれもまた追々語るとして、とりあえず今ここで皆様に申し上げるべきこと、それは。

 

安心してください、買ってませんよ。

壺も、教祖の写真も。そもそもいないしそんなの。

 

まあ簡単に言うなら、ヒーリングのスクールに通う羽目ことになった、というわけです。

今、2021年1月の時点でまだ修行中の身であり、首尾よく修了までこぎつけたとして、行く行くそれを生業とするかどうかもわかりません。ただ、勧められた上で学ぶと決めたのは紛れもなく私自身だし、師匠(とは実際呼んでないですけど、ここでは便宜上そう呼びます)や仲間たちとともに学び、楽しむ中で新たな気づきを得て、またほんのちょっぴりだけど不思議な体験をしたことも事実です。

つまり、今の私は非常に中途半端な、宙ぶらりんの状態にある、と言えましょう。3次元からちょっぴり抜け出し、しかしながら5次元はまだ遠い。

この状態を「3.5次元のスピリット」といいます。

ここでスマホに手を伸ばした方、パソコンのブラウザを立ち上げた方。

 

残念。

そんな言葉、どこにも出てません。なぜなら。

 

私が作ったから。今、勝手に。

スクールでもこんな用語は使いません。今も、そしておそらく今後も、一切。

 

そして私は思うのです。

実はこの3.5次元くらいのところが、もしかしたら一番しんどいのではないか、と。

 

3次元どっぷりの世界に限界を感じて脱出を試みたものの、目標とする5次元の世界はいまだ霞の中。振り返れば見慣れた3次元は戻るにはもはや遠く、といって前を向けば5次元まではあとどれほどあるのかすらわからない。だいたい何すか5次元って? というのが、正直に申し上げて私の現状であります。

 

その宙ぶらりんの半端もんが、じゃあブログなんぞ書いてどうすんの? 5次元でもなければプロのヒーラーでもないただのメガネおじさんの日記なんか誰が読むの? 何の役に立つの?

 

……ええ、おっしゃる通り。っていうか、何でメガネって知ってんすか。

まあ、その辺りの目的というかコンセプトみたいなものは、次回改めて、ということにいたしましょう。